動物名や植物名をひらがな、カタカナ、漢字で表記する時の基準

例えば動物の「犬」は、「いぬ」とも「イヌ」とも書くことができ、いずれの表記も実際に使われています。
今まで、このような使い分けの具体的な基準については気にしたことがなかったのですが、ふと「学習者が迷うかもしれない」と思い、使い分けの基準について調べてみました。

使い分けの基準について、最も簡単に解説していあったのは、NHK放送文化研究所の「放送現場の疑問・視聴者の疑問」に載っていた回答です。以下は、回答の解説からの引用です。

動植物名は、普通はひらがなか漢字で書きます。まず、ひらがなで書くのは、動植物名を表す文字が常用漢字表や常用漢字音訓表に含まれていない場合です。動物では、「とら」「くま」など。植物では、「ひのき」「らん」など。動植物名のほとんどがこれにあたります。
動植物名を、学術的名称として使う場合には、カタカナで書くことになっています。例えばバラ科サクラ属。
(NHK編新用字用語辞典P15)

つまり、「常用漢字で書けるなら漢字で、常用漢字で書けないならば、ひらがなで書く。しかし論文などで学術的名称として書く場合にはカタカナを用いる。」ということのようです。
理科の教科書や図鑑で動物や植物の名前がカタカナで表記されているのも、この理由によるものでしょう。

また、アルクの「日本語Q&A」では、「学術的名称にはカタカナ、それ以外は漢字を用いる」と説明したうえで、さらに以下のように続けていました。

とはいえ、これはあくまでも通例として行われていることですから、拘束力を持つものではありませんし、実際にはこれから外れる表記も目にします。平仮名表記では語の識別に支障をきたす(読みにくい)と判断される場合にも、片仮名表記・漢字表記が選ばれることがあるようです(書籍・記事等のタイトルのように、前後に文脈がない場合は別ですが)。

 例えば、犬・猫が平仮名や片仮名で表記されるのに比べ、牛・馬は平仮名で表記されることが少ないかもしれません。実際の傾向は数えてみなければわかりませんが、牛・馬にくらべて犬・猫はわれわれの生活により密接で、さまざまな文脈・見地から問題にされるため、表記のあり方も多様であるということが言えるかもしれません。とはいえ先述の語の識別の問題が考慮されれば平仮名表記は避けられるのではないでしょうか。

おそらく、他にも使い分けの基準について様々な意見があるのでしょう。
しかし、学習者にはなるべく単純な規則を示したほうがいいと思われるので、私は「動植物の名前の漢字が簡単(常用漢字)なら漢字で、難しいならひらがなで書きましょう。ただし名前が外国語なら、カタカナで書きましょう。」と教えようと思います。

「動植物の名前を学術的名称として書く場合はカタカナを用いる」という内容は、生物系専攻の大学生や技術者、研究者である学習者には、教えたほうが良さそうです。

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